義足の専門用語
義足に関する専門用語を掲載しています。
歩行周期
歩行周期
片側の足の踵が接地し、次に同踵が接地するまでの歩行における周期のことです。
立脚相と遊脚相で構成されます。
【立脚相】
歩行中に、足が床面に着いて、体重がかかっている間のこと。
踵接地期、足底接地期、立脚中期、踵離地期、踏み切り期の5つに細分されます。
【遊脚相】
歩行中に、つま先が地面を離れてから、次の踵接地までの間のこと。つまり足が地面から離れて、振られている間のこと。
加速期、遊脚中期、減速期の3つに細分されます。
切断レベルによる義足の種類
下腿義足
膝より下のすね部分、脛骨(けいこつ)と腓骨(ひこつ)を切断された場合に使用する義足です。
BK(Below-Knee)や、TT(Trans-Tibial)と、呼ばれる事もあります。
切断レベルによる義足の種類です。
足部、ソケットと、それらを接続するアダプターより構成されます。
膝義足
膝関節部分で切断(離断)された場合に使用する義足です。
KD(Knee Disarticulation)と、呼ばれる事もあります。
切断レベルによる義足の種類です。
足部、膝継手、ソケットと、それらを接続するアダプターより構成されます。
大腿義足
膝と股関節間の太もも部分、大腿骨(だいたいこつ)を切断された場合に使用する義足です。
AK(Above-Knee)や、TF(Trans-Femoral)と、呼ばれる事もあります。
切断レベルによる義足の種類です。
足部、膝継手、ソケットと、それらを接続するアダプターより構成されます。
股義足
股関節部分で切断(離断)された場合に使用する義足です。断端が非常に短い大腿切断で使用する場合もあります。
HD(Hip Disarticulation)と、呼ばれる事もあります。
切断レベルによる義足の種類です。
足部、膝継手、股継手、ソケットと、それらを接続するアダプターより構成されます。
義足を構成するパーツ
人の足の外観、機能を補う義足部品の総称です。
足部は、路面からの衝撃を最も受ける重要なパーツです。ユーザーに適した機能を有した製品選択が重要です。大腿義足の場合は、膝継手との相性も重要です。
カーボンを使用した足部の総称です。
カーボンは一般的に強靭かつ弾力性に富む材質です。その特徴から、歩行中の一時期にエネルギーを蓄積して踏切りを補助する機能に優れています。軽量な足部が多いことも特徴です。
大腿義足や股義足において、膝関節の代わりとなる義足部品の総称です。
バネ、空圧、油圧機構などを用いて、屈曲・伸展などの運動を制御します。さまざまな種類の膝継手があり、ユーザーの活動度や要望に合わせて選択します。
空圧または油圧のシリンダーの動きをコンピュータで制御する膝継手のことです。
コンピューターが制御する範囲は膝継手の種類によって異なります。
例えばジニウムの場合、センサー情報をもとにマイクロプロセッサーがリアルタイムで義足を調整し、遊脚相と立脚相の両方を制御します。
股義足において、股関節の動きの役割を果たすパーツです。
伸展方向への補助をバネの力で行う構造や、油圧で制御する構造のものがあります。
膝継手との相性も重要になります。
義足を構成する膝継手や足部などの部品間を接続(連結)、固定するために用いる部品です。
回旋や衝撃吸収するパーツなど特殊な機能を持つものもあります。
パーツの径や素材によって耐荷重が異なります。適切なパーツを選択する事が重要です。
義足を360°回転することができるアダプターの事です。大腿義足や股義足と組合わせ、膝継手の上部に取付けて使用します。
足部を上に曲げて靴を履く、床や畳に胡坐をかいたり座る、などの動作が可能になります。
義足を回旋(ねじる動き)が可能なアダプターの事です。
歩行時の下腿部のねじれや衝撃吸収機能を、できる限り補い、よりスムーズで身体に負担の少ない動きを可能にします。
断端をソックスのように覆い、断端の軟部組織と硬いソケットの間の摩擦などを防ぐ第2の皮膚のようなカバーのことです。大腿義足用、下腿義足用で構造的な特徴は異なります。
素材にはシリコーン、コポリマー、ウレタンなどがあります。
義足を懸垂するシステムの事です。ピン懸垂、ニースリーブなど様々な種類があります。
義足の種類(大腿義足、下腿義足)によって、構造的な特徴は異なります。
ライナーと組合せる場合は、ライナーの特徴によっても、選択されるパーツは異なります。
膝継手の機能
バウンシング
膝継手の機能の一つで、立脚相で特定の角度まで膝継手が屈曲し、それ以上曲がらない機能のことです。
角度は膝継手の種類によって異なりますが、最大でも15度程度の軽度屈曲します。それ以上は曲がらないため安定感があります。
さらに踵接地した際の衝撃を緩和してくれるのも魅力の機能です。
イールディング
膝継手の機能の一つで、義足に体重をかけることで、適度な油圧抵抗を伴いながら膝が曲がる機能のことです。急激な膝折れを防ぎ、階段を交互に降りたり、坂道を滑らかに交互に下れたり、プラスαの動作が可能となります。
義足のソケット
ソケット
断端を収納し義足と接続する部分のことです。
人と機械のインターフェイスとなる部分であり、力を義足に伝達します。
適合の良さが重要となるため、断端の形状とユーザーの動きにぴったりと合うように個別に製作されます。
その他
引き布
義足を装着するための布や、筒状の袋のようなもののことです。
断端に被せ、一緒に義足ソケットに引き込み、バルブの穴から引き抜くことで、断端をソケット内に収納します。
義足の基本情報
はじめての義足
はじめて義足を装着される方へ、一般的な切断からリハビリテーションまでの流れなどをご紹介しています。
下肢の切断レベル
切断レベルとは、切断した身体の部位を説明する用語です。切断レベルによって義手の種類も決まります。
クリニカルリサーチ 義足
義足製品のクリニカルリサーチのサマリー(日本語訳)をご覧いただけます。
フィットネスアプリ 義足
下肢を切断された皆様のために考案された、気軽にフィットネスができるアプリです。 (iOS、Android対応)
義足のカタログ一覧
オットーボックの義足製品に関するカタログを一覧でご覧いただけます。PDFファイルとしてダウンロードも可能です。
義足の種類と構造
義足には切断レベルに応じて様々な種類があり、さらに義足を構成するパーツも防水機能付きなど多種多様です。