メリディウム
試着をご希望の際は、担当の義肢製作施設へご相談ください。
足部はダイナミックに動くべきだった
メリディウムは足関節の大きな動きと、それに連動してMP関節の動きまでコンピューター制御する、世界唯一(2018年6月現在)の足部です。
センサーが1秒間に100回検知し、歩行状況に合わせた関節の動きを生み出します。
メリディウムの動きを一度体感すると、今までの足部との違いに驚かれることでしょう。ダイナミックな動きがもたらす快適性と、緻密に制御された安定性は、人間の足のよう。
まさに、革命的足部です。
差高調整は0cm(素足)~最大5cmまで可能です。差高の異なる靴(ハイヒールや紳士靴)が履けます。
屋内で靴を脱いだ時にも安全に歩くこともできます。日本での日常生活では重要な特徴です。
メリディウムの技術
メリディウムのコンピューター制御
メリディウムに内蔵されたセンサーは、歩行、路面状況(坂道や階段)など様々な情報を1秒間に100回の頻度で検知しています。
これらの情報を総合的に判断し、マイクロプロセッサーが油圧シリンダーの動きを制御し、適した関節の動きを生み出します。
ユーザーの動きが止まると、膝折れを起こさないように背屈方向に自動的にロック。
大きな関節の動きによる快適性と安全性を、自動で調整します。
2関節の動き
足関節とMP関節の2関節に動きがあります。
この2関節の絶妙なバランスが、義足とは思えない滑らかな歩行を実現しています。
MP関節が動くことで、立脚相の最後まで義足に体重をかけた踏み切りをサポート。
MP関節を軸に回転することで、最後まで義足に荷重をかけることができ、安定した歩行ができます。さらに健側とのバランスもよくなり、美しい歩容が得られます。
構造
足関節とMP関節は、油圧シリンダーの動きを介して連動します。
ヒールスプリングが、踵接地時の衝撃を吸収してくれます。
足関節モーメント、関節角度、角速度、線加速度、下腿の傾斜などを内蔵のセンサーが常に検知。急な歩行状況の変化、路面状況の変化に直感的に反応して足部の動きをコントロールします。
大きな可動域
底屈22°~背屈14.5°の非常に大きな足関節可動域を持ちます。
この大きな足関節の動きで、ハイヒールなど差高の異なる靴が履けるだけでなく、坂道や不整路面など、様々路面環境でも路面に沿った快適な歩行を実現します。
メリディウム歩行の特徴
平地歩行
踵接地時にはヒールプレートが衝撃を吸収してくれます。
足底接地から踏返しは、コンピューター制御された油圧抵抗と、足関節と連動して動くMP関節の働きで、滑らかな動きを得ることができます。
つま先が離れる時には、メリディウムの特徴でもあるMP関節を軸として回転するため、前方への動きがサポートされ、快適で美しい歩行を生み出します。
遊脚相では、足部が背屈位で保持されるため、つまづく危険性が減少します。
コンピューターで制御された一連の動きで、歩行スピードの変化にもリアルタイムで対応します。
坂道歩行
坂道の傾斜角度によって、底屈・背屈角度が調整されます。
例えば下り坂では、傾斜に応じて底屈角度が大きくなります。素早く足底の全面接地が得られることで、膝の滑らかな屈曲をサポートし、左右対称な歩行を導きます。
歩行中は足部が背屈位で保持されるため、つまづく危険性が減少します。
階段歩行
階段下りの動きを検知すると、背屈方向への動きが大きくなり、階段が降りやすくなります。
コンピューター制御だからこそ実現できる快適性です。
この時の背屈方向への油圧抵抗は、専用のソフトで調整することができます。
階段を下りている時は、メリディウムが背屈位で保持され、下の段に義足側をおろす際も安全です。
不整路面歩行
路面環境に応じて底背屈の動きを制御するため、快適な歩行を実現します。
歩行中は、足部が背屈位で保持されるため、つまづく危険性が減少します。
メリディウムの特殊機能
リリーフ機能
床面に足底面を沿わせる事ができます。
座っている時などソケット内の圧迫を軽減することができます。また見た目も自然です。
踵に荷重する事で、簡単にリリーフ機能を起動することができます。
差高調整
0mm(素足)~最大50mmまで差高調整が可能です。
ハイヒールや差高の高い紳士靴も履けます。
さらに屋内で靴を脱いだ時にも、つま先立ちにならず安全に歩くことができます。
差高調整は、コックピットアプリまたは特殊な動作で調整することができます。
また、10mm程度の範囲であれば、アプリや特殊動作なしでも数十歩の歩行によりマイクロプロセッサーが自動的に調整します。
スタンディングストップ (背屈ロック)
メリディウムは立位を検知すると、ニュートラルポジションで背屈方向へロックします。
これは、背屈することで膝折れすることを防ぐための機能です。
立ち仕事の時や、立ち止まって休みたい時でも安心して立位を取る事ができます。
もちろん坂道でも機能します。
マイモード
メリディウムには、通常の歩行モード以外に、3つのモードを設定することができます。
・「足関節を完全にロックする」ことが可能です。
梯子を上ったり、自転車に乗ったり、足関節が動かない事で安定感を得たい場面で有効です。
・「最大底屈位から一定の角度以上背屈しないようにロックする」ことが可能です。
動作時の底背屈抵抗値は調整可能です。
モードの切替えは、コックピットアプリまたは特殊な動作で操作することができます。
電池容量
Meridiumはリチウムイオン電池を内蔵しています。
航空機での移動において、容量の確認を受けた際には、下記をご案内ください。
品番:1B1
品名:Meridium(メリディウム)
バッテリーのWh:11Wh
シリンダー内オイルの引火点:引火性のオイルではないシリコーン系のオイル
充電
充電口はメリディウムの後方にあります。
1回の充電で丸1日使用が可能です。
必ず毎日充電を行ってください。
【バッテリー残量の確認方法】
・コックピットアプリで確認することができます。
・足部を逆さにすると、残量を知らせるビープ音がなり、その回数で残量を確認することができます。
【充電がなくなった場合】
複数回の警告(ビープ音とバイブレーション)の後、自動的に安全なモード(膝折れを誘発しにくい状態)に切替わります。
充電器
メリディウム用の充電器です。4E50をメリディウムの充電口に挿入して充電します。4E50のLEDライトで、充電状況が判別できます。
【重要】充電は +10°C ~ +45°C内で行ってください。
範囲外の場合は、メリディウムが4回の短いビープ音を約20秒間隔で発します。
正常に充電が行えません、ご注意ください。
オットーボック社製のコンピューター制御パーツを、2台を同時に充電することができます。
両側C-Leg4/Kenevoの大腿義足の方や、ジニウム/C-Leg4とメリディウムの組合わせでお使いの片側大腿義足の方、両側下腿義足でメリディウムをお使いの方に有効です。
*両側ジニウムの充電にはお使いいただけません。
USB接続で、充電する事ができます。
充電器と、充電器接続側のケーブルを接続して使用します。
対象製品:ジニウム / ジニウムX3 / C-Leg4 / Kenevo / メリディウム / 筋電義手マイオボック
サイズ展開
実長:151mm(24-25cm)、160mm(26-27cm)、163mm(28-29cm)
*フットシェル付き、差高0mmで、足底から上部接続アダプターが被る位置までの高さ。
*差高10mmで1C60トリトンフットとほぼ同じ高さです。
足部サイズ:24cm~29cm
耐荷重:100kg(24-25cm)、125kg(26-29cm)
重量:1275g(24-25cm)、1485g(26-27cm)、1555g(28-29cm)
下腿義足の組合せ
メリディウムは他の足部と比べて重量があるため、義足との一体感が重要です。
パッシブまたはアクティブのバキュームシステムとの組合せでのご使用が推奨です。
ワンウェイバルブ、ハーモニーシステム、DVSなど。
ハーモニーシステム
ハーモニーシステムは、強制的にソケット内の空気を外に排出するシステムです。ソケットとライナーの間の空気を取り除く事で、高い陰圧状態を作り出し、非常に優れた懸垂を実現します。
4R220 DVS
下腿義足用のユニークでシンプルな懸垂システムです。
歩くことでソケット内の空気を排出する仕組みで、断端とソケットの一体感を得ることができます。
大腿義足の組合せ
1B1メリディウムは状況に応じて足関節の動きが大きくなるため、大腿義足でお使いになる場合は、安全のため「デフォルトスタンス機能」を持ち合わせた、オットーボック社製のコンピューター制御膝継手(ジニウム、C-Leg)との組み合わせが必須です。
デフォルトスタンス:基本設定が立脚モード(イールディング抵抗が効いた状態)にあり、条件を満たした時のみ遊脚相(抵抗が低い状態)へ切り替る仕組みの事です。
Genium コンピューター制御膝継手
大きな特長は、人の歩容と同じように膝が軽く曲がって着地すること。平地歩行で自然な歩容を可能にするのはもちろん、上り坂では棒足状態の義足を乗越える動作の必要がなく、前方への体重移動をスムーズに行う事ができます。
自然な歩容は身体への負担も軽減してくれます。
C-Leg4 コンピューター制御膝継手
1997年に世界で初めて歩行の全て(立脚相と遊脚相の両方)をコンピューター制御する義足として発売されて以来、進化し続け、現在では4世代目の通称C-Leg4が活躍しています。
よりセンサーの検知能力が向上し、歩行の状態をより瞬時に把握することが可能になりました。
禁忌
メリディウムは底背屈の可動域が大きい足部です。そのため下記のケースには禁忌です。
*両側大腿義足
*両側義足の片側大腿・片側下腿
1B1 メリディウム コンピューター制御足部
メリディウムの関連情報
メリディウムをお取扱いいただく義肢装具士の方には「ライセンスセミナー」を受講いただき、技術を習得していただいております。
メリディウムに関するユーザーインタビュー動画をご覧いただけます。機能を使いこなしている日常を、是非ご覧ください。